「アルカトラズ」監獄みたいしょ? プリズン・ブレイクご所望方います?
【フィールド情報】
埼玉県秩父市大滝群 中津川渓谷 林道沿い
中津川アイスロード
ルート名:アルカトラズ
グレード:Ⅳ (Ⅳ+くらい?)
ピッチ:1ピッチ(約30〜40m)
※終了点は灌木を利用。50mダブルロープ・懸垂1回で取付きへ。
(推奨装備)
・スチールスクリュー×6〜8本程度 (10cm、13cm、16cmを推奨)
・ダブルロープ
中津川林道沿い岩壁崩落防止フェンスの内側にあるルンゼ・滲み出しの氷結。 当初、フェンスが氷を囲うような監獄にみえた事から、そこからインスピレーションを受け、難攻不落の監獄「アルカトラズ」という名前をつけた。ルンゼを登りきれば難攻不落の監獄をプリズン・ブレイクできる。 「先ずは、どやって入るの?」と気になるところだが、何故かフェンスには穴が空いていてそこから侵入できる様になっている。誰か既に脱獄したか…正に、ルートから脱獄を唆すシチュエーションとなっている。 ルートは段瀑状となっていて登攀自体はⅣ+程度だが、全般的に氷は脆く、スクリューを打つ場所を選ばされる。そのため気は抜けない。 また崩落防止フェンス内とあるだけに、岩の崩落には十分、気をつけたい。
【活動記録】
令和4年2月15日(火)
メンバー:デクさん(松永)、まちゃあき(Zaki)
この日は、デクさんとまちゃあきの2名体制で、昨シーズン発見したが登攀できてきなかったルート「アルカトラズ」の回収とYou Tubeの為の撮影作業へ。
駄菓子菓子(だがしかし)、いきなり問題勃発。
ホームである中津川アイスロードに到着したわけですが…
「マジか…」
積雪によるデモが巻き起こっていました。
「戦車(ジムニー)ならいけるでしょ~」
と途中までカー・ラッセルするも、それも束の間…。
林道に堆積する落ち葉に積雪し、(次郎系でもないのに)高さが増し増し・通行止め状態になっていました。
こんなのがいくつもあり、ジムニーちゃんでもお手上げ状態でした…潔く断念。
ちゅーことで、戻って安全な場所に車を止めて徒歩で向かいました。
アルカトラズは中津川エリアでも、林道 沿いで一番近くにあるルート。 秩父は降雪後の積雪もあり中津川アイスロードのアプローチ状況が読めなかったことから1番近いルートへ。
王冠キャンプ場の通行止ゲートから1時間もしないで「アルカトラズ」に到着。
この日は好天で気分も気持ちも良かったのですが、脱獄には不向きな気候?でしたね。時間経過につれて氷の融解が進み、脱獄へのビクトリー・ロードは失われていく次第。とっとと準備して、登攀&撮影開始です。
こういった状況下では、我々の主力武器「10mm Parabellum bullet(パラベラム弾)」と「13mm Hollow point bullet(ホローポイント弾)」が非常に良い仕事をしてくれるのです。 ※10㎝・13㎝アイススクリューの事です。
この辺までは、ハエがたかりたくなる様な(安定の?)薄い糞氷。スクリューが打てそうな氷までランナウトで上がった脱獄犯は、ここで一発のホローポイント弾(13cmスクリュー)をぶっ放した。
「決まった…」の一言。
スクリューが決まったことにより精神の安定が担保され、脱獄犯は一気に核心部へと畳み掛けようとするも…
駄菓子菓子(だがしかし)、ここで犯行に加担した看守(まちゃあき)に罰が下りました…
アルカトラズの脱獄防止装置?なのかわかりませんが、脱獄犯たちに殺傷能力の高いトラップが発動。
なっ、なんと、ルンゼ左岸の岩壁が崩落…。巻き込まれたんです、はい。
左肩とヘルメットに砕けた岩が当たり少しダメージを受けただけで、奇跡的に大事にはいたりませんでした。大岩に潰され・挟まれていたらタダじゃすみませんでしたね。何たる不幸中の幸い…。
(※後々気づきましたが、ヘルメットに当たった岩の衝撃で歯を喰いしばったのか、奥歯の一部欠けていました。咀嚼時、痛いっす…)
しかし勿論代償もあり、ロープと定点カメラが崩落被害で、挟まれ・生き埋め状態に…。
一旦、登攀・撮影を中断。
主演の脱獄犯(デクさん)にはスクリューテンションで待機してもらい、定点カメラはいいとして、先ずはロープの挟まれ救助を開始。掘削作業で何とか1本のロープを救出し、とりあえずはデクさんの命綱と安全は担保されました。その調子でもう1本のロープも救出しようとするも、もう1本のロープは一部が大岩にモロに挟まれ微動だにしない…。救助が難航し、時間ばかりが経つ一方に登なってしまったので、デクさんに1本のロープを離脱してもらいシングルロープでの登攀を再開してもらいました。
その後は、何事もなく無事にトップアウト。撮影班の看守もトップアウトし、シャバの(上部の)世界を堪能しました。まぁ、上はただの樹林帯で更なる何かは無かったですねぇ~。
と言う事で、離脱に移ります。
離脱は、灌木を利用し懸垂降下で戻ります。今回は不慮の事故でシングルロープとなってしまい、途中の灌木も利用し懸垂2回で取り付きへ戻りましたが、50mダブルロープなら懸垂1回で帰還できます。
離脱時にも、何事もなく無事に取り付きまで戻ってまいりました。
これにて、脱獄劇の登攀・撮影終了!
その後は、中津川アイスロードで今年の気になる場所の氷結を見に行ってから、アイスロードから離脱。この日は、我らがアジトである横瀬の国道299沿いにある、食亭「悦楽園」は臨時休業で入れず、第二候補の秩父で「わらじカツ丼・味噌豚丼」の美味しさで口コミの高い「ちんばた」へ。ここも美味しいんですよね~。
アルカトラズ自体の登攀はたいして難しくありませんが、継続的な崩落も否めない状況下の中の登攀・撮影の継続は、違った意味でスリリング且つスパイシーな思い出となりましたねぇ~。
いやぁ~痺れたze!
デクさん、脱獄お疲れさまでした!
冒険は続く…
【番外編】
今回はドローンを持ってきていたので「アルカトラズ」の全景を撮りましょうよ、と言う事で 登攀後に準備していたのですが、何とそこでもサイドストーリーが発生。
「さて、飛ばしますか!」と地上に置いて離陸セット完了。そこで、パイロットであるデクさんは何を思ったのか、置いてあることをド失念(急性アレツハイマー?)、いきなり歩きだして踏んずけたんですよ。
「はっ?」って感じでしたねw
(ドローンの悔しさを尊重してドアップ)
「ア、アイゼンが、刺さりけり…」
これは一撃必殺ですな、見事なヘッド・ショットです。この後は、一応これでもフライト・撮影できました(笑)
「飛ばす前からこれかよ!」と心の中で、思わず突っ込んでしまいましたね(笑)
何せ、デクさんは「ドローン・クラッシャー」の異名を持つ WANTED(指名手配)中の前科持ち。
なるほど、それでオフシーズンは捕まっていて今シーズンの脱獄に至ったのですね~
伏線回収、ストーリーが見事に繋がりました。
しかし、シャバへ脱獄して直ぐにまたドローンをぶっ壊したよ、この人。凶悪犯でしかないですね。因みに、ドローンは保証で修理したばっかりだったとの事で「脱獄して直ぐに、修理したてのドローンを飛ばす前に見事に葬る」この所業は大罪ですねw
そこまで悪事で名を馳せたいのであれば、御希望のとおり懸賞金は跳ね上げておきます。
おしまい☆