奥多摩奥秩父アックス登攀部隊

通称「たまちち」の活動記録

【アイスクライミング】氷谷本流走破作戦「ランナウェイⅡ」

今日こそ本流へ

前回の氷谷上流走破作戦「ランナウェイ」ではF2の先の二俣で支流(右俣)に浮気してしまったので、今日こそは本流(左俣)の完全遡行を試みる。

さらに上流に抜け、稜線を歩いて帰るアルパイン的なプランだ。

その名も「ランナウェイⅡ」

今日もヘッドライトを撲滅するべく、ヘッドライト入山である。

帰りは稜線歩きとなるため、大洞川渡渉のための長靴はいつもの場所にデポすると回収できないので、大洞川を渡った後で対岸に放り投げた。

今シーズン幾度と歩いた和名倉沢のアプローチ道もこれが歩き納め。

なんだか感慨深いなぁなどと話していたら普通に道を間違えた。油断大敵である。

氷谷本流遡行

そうこうしているうちに山葵滝に到着。

相変わらず命懸けの高巻きをし、F2の基部に降り立つ。

前回は初めてということでロープを出したF2を、今日はフリーで登り、二俣へ。

さて、ここから未知の本流遡行開始である。

まずはⅣ程度のF3(10m)をフリーで登る。

その上の同じくⅣ程度のF4もフリーで突破。

という感じで、10mくらいのⅣ級が連続する。

{時々フィギュア4も繰り出す}

ロープを出すタイミングを図っていると源頭に到着した。ここまで山葵滝から1時間半。

{ロープを出すことなく源頭部へ到達}

地形図を見ながら稜線へ詰め上げるのだが、やたら道が悪い。

{というか、道などない}

ようやく稜線に出ると12時を回っていた。あとは下るだけ。

{ビクトリーロード・・・だよね?}

下降もなかなかマクレー

顕著な地形の通りに歩を進め、ピークを二つ越えると雪も無くなったのでアイゼンを脱ぐ。

途中の分岐尾根で右に進路を取り、手戸沢に合流することにしたが、合流箇所が急峻で2回の懸垂で沢に降り立つ。

その後も1度の懸垂を交えて大洞川に合流した。

{イケてない手戸沢降下}

{ロープは必須}

あとは吊り橋を渡って登るだけ~と思いきや、ここからが意外に長く、結局渡渉で対岸に渡り、斜面を登り、駐車場に戻った。

さよなら和名倉沢2023

ということで無事に和名倉沢、と氷谷をコンプリートし、今シーズンを締めくくることが出来た。

特に氷谷右俣は情報の全くない未踏の領域であり、「たまちち」の本質的な活動となった。

それにしても、あんなに待ち焦がれたたまちちの冬が、本当に一瞬で終わってしまった。

氷谷上流遡行作戦を「ランナウェイ」と名付けたが、俺たちのこの冬が「ランナウェイ」だったなぁ。

そう思う程に駆け抜けた1シーズンだった。

さて、少し休んで、また走りだそうかな。

{大量のナンで疲れを癒すのである}