ヘッドライト下山撲滅の会
和名倉沢大滝登攀から一日空いた2/7、夜明けを待たずにヘッドライトでアプローチを開始。
この日から活動を開始(?)した「ヘッドライト下山撲滅の会」は、今シーズンあまりにもヘッドライト下山が多く、精神的にも体力的にも疲れてきたので発足したものだ。
ヘッドライト下山を撲滅するためにヘッドライト入山するという一見本末転倒なプランだが、事故が起こりやすい下山時に余計なリスクを増やさないという点では理に叶っているように思う。
さて、この日のメンバーは俺とマチャだ。
2/5に氷結を確認するも時間切れで撤退した船小屋窪沢大滝の登攀がメインだが、イケるなら和名倉沢大滝から継続させようというのが本日のプラン。
もっとも2/5の氷結も甘く、2/6も気温が高かったので、大滝が登れる状態を維持していればの話だが、果たして・・・。
和名倉沢大滝(再)
マチャとは和名倉沢偵察、山葵滝、ランナウェイ、そして今回で4回目となる。
アプローチは慣れたものだ。
林業以外で1シーズンでこんなにもこの道を歩いた人間がいたのだろうか・・・。
道中はただ黙々と歩き続け、通らず下で一回釜ポチャしつつ、約3時間で和名倉沢大滝へ到着。
大滝は前回より確実に崩れている。
が、時間も状態も、登るには十分だろうと判断。
俺は前回既に登っているので、和名倉沢大滝のリードはマチャに任せることにする。
1P マチャ
前回は左岸側を登ったが、今日は右岸側を攻める。
難しさは左岸側と大差ないが、プロテクションは右岸側の方が取りにくいように感じた。
前回と同じ地点でピッチを切る。
2P マチャ
こちらでも前回隊長が登ったラインとは異なるラインを進むマチャ。
こうしてそれぞれ見えるラインが違うところは非常に面白い。
上部の氷結は確実に悪くなっていたが、危なげなくトップアウト。さすが。
フォローしつつ、「よくこんなの行ったなぁ・・・」と感心するのだった。
上部ではリスにハーケン2枚、ベルグラにショートスクリューでしっかりステーションを構築し、俺を迎えてくれた。
冬の沢は冷たい
事件はここで起こる。
前回隊長がポチャった釜は相変わらずの様相で、しかしイヤらしくも淵に氷(?)が残っている。
要するにヘツれそうだ。
マチャは「とりあえず行ってみまーす」なんつってヘツりを開始し、見事渡ってしまった。
じゃあ俺もヘツるしかないんだけど、嫌な予感しかない。
半分を越えた先でホールドが無くなり、「いやー悪いねー」なんてカメラを構えるマチャと談笑しながらあと一歩のところで、
足場崩壊
釜は普通に釜で(なんだそりゃ)、立ち泳ぎしないと普通に頭まで沈む深さである。
思ったより流れがあり、というよりは背後がすぐに大滝なので吸い込まれるような感覚があり、「冷たい」と思うよりは「流されたら死ぬ」という気持ちの方が強かった。
なんとか手足を突っ張り這い上がろうとするも、またしても足場崩壊。
なんとか這い上がって、ふとギアラックを見ると、あれ、アックス1本ねーじゃん。
まさかのツールロストかよ・・・などと浸っている暇はない。
早速二人で釜を確認するが、それらしきものは見えない。
そもそも足のつかない釜の中だ。底深くまで沈んでいたら絶望的である。
それでも探さないわけにはいかず、ロープで中吊りになりながら膝まで浸かり目を凝らすと・・・縁の岩の隙間になんか緑のやつが見える。もうあれだと思うしかない。
もう一本のアックスで釣れないか頑張るが、どうにもうまくいかない。
こんなことで時間を消費するのも勿体ないので、普通に潜って素手で救出した。
今思えばカメラ回しておけば良かったんだけど、そんな余裕なかったわ。ピンチはチャンスか・・・次に活かそう。
マチャとは「釜ポチャしたら撤退」と約束してたんだけど、ここまで来たらそんなわけにもいかないだろ。
船小屋窪沢大滝と対面。さあクソ寒いけど、登るか。
船小屋窪沢大滝~その先へ
1P ゴリ
どこでも登れそうだが、プロテクションを考えると選べるラインは多くはない。
それでも快適にロープを伸ばし、テラスでピッチを切る。ただただ寒い。
2P マチャ
こちらも快適にロープを伸ばし落ち口へ。
さて、見てみたかったのはこの先だ。
過去に高巻いた人間がいたのかは知らないが、船小屋窪沢は大滝から先の情報は無い。
落ち口から10分くらい詰め上げると、少し広い場所に出た。
和名倉沢では珍しく陽が当たり、フィナーレ感がある。素晴らしい。
地図ではこの先も稜線まではまだ距離があり多くのロマンを感じさせるが、それはまた別の機会にしよう。
この沢で予定していた今シーズンの活動はここまで。
懸垂2回で和名倉沢に降り、来た道を戻る。
見事に明るいうちに脱渓完。ヘッドライト下山撲滅完了!
夜はカレーと大量のナンで疲れと寒さを癒したのであった。