奥多摩奥秩父アックス登攀部隊

通称「たまちち」の活動記録

【アイスクライミング】長野県・柞沢川・幻の滝

日にち・メンバー

2025年2月22日

マチャアキ、隊長、パイセン、ゴリーダー(記)

 

またしても行き当たりばったりで始まる一日

1月5日以来の隊長参戦ということでまたしてもたまちちin長野。

前回、乗鞍高原の地図を見ている時に伊奈川の南にある前川本谷の滝マークに目を奪われた俺たちはこれを次のターゲットとして狙いを定めていた。

せっかくなら宿題はそのシーズンのうちに回収しようということでこの日に計画を立てていたのだが、2月19日くらいに何を思ったかふとネットサーフィンを始めた俺が東京雪稜会のブログを発見。

それによれば2019年2月に行った記録がある。

(ブログはこちら

 

よく考えたらあんなにガッツリ滝マークがあるのに、誰も行ってないわけないよな~などと妙に納得してしまった。

氷結いまいちでF2以降は登っていないようだけど、別に初登とかしたいわけでもないし。

ということでその旨をメンバーに伝えると、すぐにロマンを求めて各々が別の標的を提示し始めた。本当に未知が好きな人たちだこと・・・。

 

数々の秘瀑の応酬の末、長野県某所の「幻の滝」がみんなの心にクリーンヒットした。

しかしなんて幻の多い世界なんだ・・・。

幻とか伝説とか、そういう形容詞がつくとワクワクしてついつい釣られてしまう俺たちなのです。

 

行く手を阻む通行止めと深い雪

ということで7時に現地のコンビニで待ち合わせをし、ひとしきり漫才に興じた後で林道を目指す。

地形図的には林道から登山道に入り3~4kmといったところで、順調に行けば2時間くらいで目的地かな~なんていう想定は林道の通行止めによりそうそうに崩れ去る。

駐車スペースと想定した地点まで約2kmの林道歩きが加わることになるが、そんなことでは怯まないガッツに溢れたメンバーたち。硬く締まった雪をツボ足で突き進む。

当たり前だがノートレース



 

襲い掛かる冬型の気候

アプローチを開始してすぐに天候は崩れはじめ、入渓点に着く頃には割と吹雪いてきた。

登山道に入る前にスノーシューを装着する。

川沿いの道はところどころピンクテープがあり、マチャと隊長のナイスなルートファインディングのお陰もあり迷うことなく進む。

予定通り、入渓から2時間かからず目的の幻の滝らしきものに辿り着いた。

ここまで入山から2時間半程度である。

歩くのが苦手なパイセンも今日はどうにか辿り着くことができた。

 

これが「幻」たる所以か・・・

さて、人類の前に初めてその姿を晒したかはわからない結氷した幻の滝は雪にまみれてなんだかよくわからない。

取り付きから10m程度は蒼氷が見えるが、上部は真っ白。完全な斜瀑なのだろうか。

気温もかなり下がり、まるで八ヶ岳にいるかのような辛さの中、満場一致で長野県民の隊長にリードを任せることとなった。

 

久しぶりのアイスクライミングだが、さすがの山男は無事に終了点の立木に到達した。

アックスを振りかぶった瞬間をとらえる鼻シャッター

なお、到着時に既に虫の息だったパイセンは隊長の完登を待たずして帰路についた。

 

フォローでマチャと俺が同時に上がる。下部の蒼氷は楽しく登ることが出来たが、ここから異変が生じる。

なんと雪が被っていると思っていた部分は雪が被っているのではなく、雪なのだ。

雪が乗った氷は氷質が悪くなるとか、そんな話ではなく、これは岩に雪が乗っているだけだ。(厳密にはちょっと氷もあるが、体重を預けられる類のものではない。)

幻の滝の氷瀑はその名の通り「幻」であったのだった。

いやいや、よく平然とリードしたもんだ・・・恐れ入ったぜ・・・。

ということで無事にフォローも終わり、ちぎれそうに凍えた指でロープを握りしめ懸垂バック。

荷物をまとめて足早に帰還したのだった。

 

車に戻り、別の気になる場所を偵察し、この日は須坂の名店「とら食堂」へ。

ごはんとみそ汁とキャベツがお代わり自由という最高のおもてなしを受け、笑いの絶えない一日をおいしく締めくくることができた。

とら食堂のかつ重1100円